4月19日㈮に、「SFの父・海野十三(うんの・じゅうざ)を偲ぶツアー」を計画していますが、「海野十三って誰?小説も読んだことがない」と言われます。そこで、何回かに分けて、海野十三の作品について紹介していきたいと思います。
海野十三は、本名・佐野晶一。明治30年徳島市徳島本町に生まれます。佐野家は代々徳島藩の御殿医で、安宅町で祖父に育てられますが、福島小学校3年生の時に神戸市に移転。その後、早稲田大学理工学部電気科を卒業して逓信省電気試験所に勤務。「電気風呂の怪死事件」(昭和3年)で小説デビュー。数々の作品を発表していきます。
「電気風呂の怪死事件」
町中の銭湯に、電気風呂が取り付けられ大流行になった頃の話です。(そんな前から電気風呂があったんだ!)
男湯で感電した客がおり、大騒ぎになったところで、今度は女湯で若い婦人が首と肩の付け根に鋭い吹き矢が深々と刺さり殺される。ところが脱衣室には、この被害者の着物も下駄もない。どこから来たんだ? そして風呂場の天井裏には三助(時代ですねぇ)の死体が。
文庫本で30ページの短編ですが、内容がたっぷりと盛り込まれており、意欲的なデビュー作です。
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