海野十三の作品紹介第2回です。
「生きている腸(はらわた)」
医学生が刑務所の附属病院より秘密で、ガラス管のリンゲル氏液に入った「生きている腸」を手に入れる。毎日食事を与え、1日中部屋から出ず、その容態を観察していく内に段々と愛着を持ち始め「チコ」と名前を付けるほどになる。
ところが、急に外の世界が恋しくなり、外に遊びに行ってしまう。そして1週間後、帰ってきたら……。
文庫で23ページの短編です。
「十八時の音楽浴」
独裁国・アリシアの国王は、毎日18時に特定の音楽を国民に聞かせて洗脳し、忠誠を誓わせ、支配しようとしている。国王、博士、大統領夫人、人造人間の美少女、野心家の女大臣などなど個性的なキャラクターが続々と登場し、最後は皮肉な末路を辿っていく。やはりいつの時代もヤキモチがトラブルの原因というのを証明しているような作品。
奇想天外な発想のようだが、洗脳方法としては、案外実現できそう?にも思えてしまう。
歴史的名作との評価も高い作品。文庫で55ページ。
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